企業に就職し、その企業内で自社サイトの運営に携わる人のことをウェブ担当と呼びます。
ウェブ担当は、デザインやコーディング、マーケティングなどの専門知識を持った人が就くこともあれば、全くウェブには詳しくない人が任命されることもありますね。

自分も対クライアントさん向けにコンサルティングを行う傍ら、自社のウェブ担当としても活動をしています。
かれこれ6年ほどになるでしょうか。
そんな僕が6年間ウェブ担当としてやってきて、大切と感じている心構えがあります。

それが、「ウェブサイトを私物化する」ということ。

ウェブ担はやらされ仕事ではいけない

ウェブに関する専門知識を持っているにしろ、持っていないにしろ、ウェブ担当として任命されたからには、自社ウェブサイトと長く付き合っていくことになります。
当然、仕事である以上は誰かの指示があって初めてウェブ担当として成り立ちます。

仕事を任せる側のマネージャーがウェブに対する知識が豊富であれば、具体的な指示があるでしょう。
一方で、あまりウェブに対して詳しくないIT全般に疎いマネージャーであれば、具体的な指示が出ない場合もあるかもしれません。

優れたマネージャーが具体的な指示を出してくれる場合は、その指示に従っていれば一定の成果は出るかもしれませんが、それは的確な指示を出したマネージャーが優れているからであって、あなたのウェブ担当としての本当の成果とは言えないかもしれませんね。

具体的な指示がない場合は、もしかしたら指示が出るまでは動かない人もいるかもしれませんね。

いずれに関しても言えることですが、仕事というのは「やらされ仕事」ではいけません。
これはウェブ担当に限らず全ての仕事に共通して言えることです。
自分で何をすべきか判断し、行動していくことが大切です。

では、どうすれば良いかというと、まずは任されたウェブサイトのことを、「仕事で使う会社のサイト」ではなく「自分の個人的なサイト」と思い込むことです。
つまり、本記事のタイトルにあるように「私物」と思い込むんです。

なぜ「私物化」?

何故企業のウェブサイトに対して「私物化」などという表現で推奨しているかと言うと、「それが最も楽で、且つ効果的だから」です。

ウェブ担当としてやっていくには、ウェブサイトと真摯に向き合わなくてはいけません。
ウェブサイトのコンテンツ企画やアクセス解析、キャッチコピーの作成や発注、ECサイトであれば商品説明など・・・
たくさんの仕事がウェブ担当にはありますが、正直なところ仕事が多すぎて手が回らないという人も多くいると思います。

そんな中で突然「何か良いアイディアを」とマネージャーから求められても、その場しのぎのアイディア出しに終わる人もいるんじゃないでしょうか。
やはり、常日頃からウェブサイトについて真摯に考え、「どうしたらもっと良くなるか」と模索しておく必要があります。
ただ、だからと言って「常に考えておくように」とマネージャーから言われたとしたら、正直なところ忙しい中でそこまでするのは辛いですよね。

それは、誰かに言われた「仕事」だからです。
逆に言えば、仕事じゃなければ案外大したことではないかもしれません。

プライベートのブログ運営だとしたら?

例えばプライベートでブログ運営をしている人は、それなりに大変であっても辛くはないはずです。
それは好きでやっていることですから。

プライベートでのブログであれば、毎日たくさんの記事更新をしたり、たくさんの人に自分のコンテンツを知ってもらうためにあれこれと策を練ったり、勉強をしたりする人もいるんじゃないでしょうか。

仕事であったとしても、全く同じ感覚を自分が任されたウェブサイトに対して持つようにすると、ウェブサイトに対して愛着が湧きますし、アイディアが湯水のように溢れるようになるはずです。
何故なら、自分のサイトだからです。

この感覚を、僕は「私物化」と呼んでいます。

ウェブサイトに対する「愛着」は大切

SEO界隈でこんな言葉を聞いたことはないでしょうか。
「SEOは愛」と。

初めて聞いた人にとってはよく分からない面白フレーズに聞こえるかもしれませんが、これはSEOの本質的な部分を的確に捉えています。

前項で挙げたように、愛着があればたくさんのアイディアが生まれるものです。
それが、優れたコンテンツやキャンペーンを生み、結果的に検索順位であったり一定のビジネス成果を出すようになります。

逆に言えば、ウェブサイトに対して愛着がなければ、マネージャーから渡されたタスクをこなすばかりで、そのタスクが完了したらそれで終わりになってしまいます。

例えば、ウェブ担当のAさんはマネージャーから新商品のLP制作を任され、問題なくLPを公開できたとします。
その後はマネージャーからLPとは別の仕事を任されました。
LPはアクセスがどうなっているかも良く分からないし、その後商品の売上もどうなったか知りません。

・・・これは、「運営」とは言いません。

タスクの処理は「点」ですが、運営は時系列を伴うものです。
「以前こうしてこうなったから、次はこうしてみよう」といったアイディアは、「いついつまでにアイディアを出すように」という指示からは生まれません。

先程のAさんは、自分の任されたLPに愛着を持っていれば、仮に多忙であったとしても世間話がてらにでも「あの後売上どうですか?」くらいは聞けたかもしれません。
売上が良くなったのであれば何が良かったのかを検討してみたり、逆に悪ければ何故悪かったのか気にするだけでも、次のアイディアが生まれたかもしれませんね。

Twitterの「中の人」達も一種の私物化である

Twitterの企業アカウントの「中の人」と言われる人たちがいます。
彼らは企業アカウントにも関わらず、一見自由奔放に投稿をしたユニークな運用をしていますが、あれも一種の私物化です。

もちろん、企業毎にSNSに関する規定はあったりすると思いますが、ほとんど自分専用のアカウントの様な形で運用されているのが特徴的ですね。
SHARPタニタのTwitterの中の人は書籍が発売されるなど、世間的にも注目されました。

「私物化」の意識を持つ上での注意点

もちろん、仕事には違いないですから、本当に私物化してはいけません。
僕たちはプロには違いないのです。

次の点を気をつけておきましょう。

  • 必要なホウ・レン・ソウは必ずする
  • 企業が定める規定には従う
  • 必要に応じてマネージャーに分かる形でレポートを提出する
  • ビジネス的成果を意識する

また、実績の蓄積、スキルの向上、キャリア形成、収入のアップなど、ウェブサイトを通じて自分が具体的に得ることの出来るものを意識しておくと良いでしょう。
やはり何かしらメリットがないと中々原動力が生まれにくいものです。

さいごに

「私物化」という言葉を選択しましたが、結局の所「仕事は自主的に。主体性を持って。」というところに尽きると思います。
ただ、「自主的」「主体性」と言われてもピンと来ない人も多いと思うので、僕が持っている「ウェブサイトの私物化」という感覚を紹介しました。

もちろん、別の感覚であっても、ウェブサイトに対して愛着を持って、自分で考え、動く、ということが出来れば構わないと思います。

よろしければこちらの記事もご覧ください。

それでは、これから新たに配属されるであろうウェブ担当さんにとって、本記事が参考になって貰えれば幸いです。