2018年7月からGoogleに導入されたスピードアップデート以降、Webサイトの表示速度がランキング要素として組み込まれるようになりました。
Webサイトの表示速度改善には様々な手法がありますが、代表的な手法としてはAMP(Accelerated Mobile Pages)があります。
ただ、AMPは専用の書式でWebページを用意する必要があり、WordPressの様にプラグインで対応出来れば良いですが、それ以外のケースでは制作コストを上げてしまうというデメリットも存在します。

そこで、制作コストを比較的抑えて高速化に対応できる方法として、CDN(Content Delivery Network)があります。
今回は、SEOにも今後必要となってくるであろうCDNについて紹介をします。

CDNとは

CDNとはWebサイトの高速化技術の一つで、世界中に張り巡らされたCDN用配信ネットワークを利用して、Webサイトが置かれている本来のWebサーバ(以下、オリジン)へのサーバ負荷を軽減し、Webサイトを利用するエンドユーザから距離的・ネットワーク的に近いサーバからコンテンツの配信を行うというものです。
イメージ的には、オリジンサーバの他にオリジンサーバのコンテンツをキャッシュさせたクローンを用意するようなイメージですね。

この仕組みは現在大手CDN事業者の「Akamai」が1990年代に既に提唱したもので、最近話題になり始めたような印象ではありますが、思った以上に歴史の長い仕組みの様です。
当時はインターネット黎明期ですから、動画配信の様に高速で膨大なデータを扱うことがなかったので、オーバーテクノロジーだったのかもしれませんね。

OSのアップデートといった同時期に多数のアクセスが想定される様なケースで使用されたり、最近では「はてなブログ」でも利用しているのも目にしたりしますね。

CDNのメリット

トラフィック分散によるサーバの負荷軽減

CDNを利用することで複数のCDNサーバにコンテンツを置いておけるので、テレビやSNS等で拡散され同時アクセス数が急に高まったとしても、トラフィックが分散することでサーバ負荷を軽減させることができます。

ファイルのアップロードは1度のみ

サーバを複数並列利用することでもCDNと同様の効果は得られるかもしれませんが、必要な台数分サーバを自身で用意し、コンテンツファイルもサーバの数だけアップロードしなくてはいけません。
CDNでは、オリジンサーバのコンテンツをキャッシュさせることで、コンテンツファイルのアップロードは1度で済むため、運用性に優れています。

サイトの高速化

CDNでは、距離的・ネットワーク的に近いサーバを自動で選んでコンテンツを配信します。
インターネットを利用していると世界中にアクセスすることが出来るので、あまり感じないかもしれませんが、物理的な距離が伸びるとその分だけレスポンス速度は遅くなる傾向にあります。
例えば、日本の反対側に位置するブラジルまでは距離にした約18,560km離れていますが、レスポンスタイムは0.658秒遅くなるそうです。(出典:denet.ad.jp

また、インターネットは様々なサーバを介して成り立っています。ユーザーからのリクエストに対して経由地点が増えれば増えるほど遅くなる傾向にあります。(必ずしも物理的な距離に限りません)

CDNではこの様に分散させた距離的・ネットワーク的に経由地点が少ないサーバからコンテンツを配信することによって、コンテンツの配信速度を改善することができます。つまり、サイトの高速化が可能と言えます。

Rapid STARTの使い方

CDNには様々な事業者がありますが、有料のものが大半です。
無料のものであれば、ユニコーン企業から最近上場したばかりのCloudflareが有名です。
無料のCDNはあまり選択肢が多くないのですが、日本から提供されているRapid STARTはCloudflareよりも速いと噂されることもあり、サポートも日本語で行ってもらえるため有力候補の一つです。

Rapid START
しっかりと「WEB高速化」と謳っていますね。

Rapid STARTで高速化!
Rapid STARTを適用することで50%近くサイトパフォーマンスが向上するようです。劇的な数値ですね。

というわけで、今回はRapid STARTの使い方を紹介します。

アカウントの作成

まずはアカウントの作成をしていきましょう。

https://cdn.tokyo/
こちらのサイトから登録をしていきます。

ダッシュボード Rapid START
登録が完了すると、ダッシュボードにログインするための情報が記載されたメールが送られてくるため、そちらからダッシュボードにログインしていきます。

オリジンドメインの登録

次に、CDNを適用したいサイトのドメインを登録していきます。

Rapid START_オリジンドメインの登録

オリジンドメインの登録にはAレコードの登録が必要です。
ドメインの設定画面を編集する必要があります。

Aレコードの追加

Aレコードというのは簡単に言うとIPアドレスの指定です。

ムームードメインとさくらインターネットのAレコード追加方法を見てみましょう。

ムームードメイン

Rapid START_ムームードメイン Aレコード登録
ムームードメインの場合は「ムームーDNS」から設定を行っていきます。
伏せていますが、「内容」という部分にサーバのIPアドレスを入力していきます。
「サブドメイン」には、www有りのサイトの場合は「origin.www」と入力しましょう。

さくらインターネット

Rapid START_Aレコードの追加_さくらインターネット
さくらインターネットの場合はこの様な画面になっています。
「エントリ名」にwww有りのサイトの場合は「origin.www」と入力しましょう。(画面はwww無しの場合)
「値」にはIPアドレスを入力して下さい。

サーバIPの調べ方

サーバIPを調べるにはWindowsであればWindows10に標準で入っているWindows PowerShellを使用します。

Rapid START_IPアドレスの調べ方

Windows PowerShellを起動したら、「nslookup ドメイン名」と入力します。(ドメイン名がexample.comだとしたら「nslookup example.com」)
すると、対象となるサイトのサーバIPが返ってきます。
こちらをAレコードとして登録していくわけです。

Aレコードを登録してしばらくすると、Rapid STARTダッシュボード上で認証が確認出来るようになります。

ドメイン所有権の確認

次に、ドメイン所有権の確認を行います。

TXTレコードの当録と、認証用HTMLファイルのアップロードの2通りの方法があるのですが、ドメインの設定が得意でない人はファイル認証を使ったほうが簡単かもしれません。
今回はファイル認証で行います。

Rapid START_認証

認証用ファイルを画面からダウンロード出来るので、そのファイルを対象のサーバにアップロードします。

Hostsファイルの変更

ドメイン所有権が確認されると、いよいよCDNに切り替えていくわけですが、その前に一度Hostsファイルを書き換えて、CDNが正常に適用できているかを確認します。

Rapid START_HOSTSファイル

HostsファイルにIPアドレスとドメイン名を入力し、保存をします。

Hostsファイルについて

HostsファイルはDNSより先に参照されるIPアドレスとドメイン名の一覧です。

Windows10の場合は次のパスにあります。
C:\Windows\System32\drivers\etc\hosts

メモ帳などのエディタを「管理者として実行」して、RapidSTART上に表示されたIPとドメイン名を記入して保存をしてください。
その後、Webサイトにアクセスして表示に問題がなければ、いよいよCDN配信への切り替えになります。

CDN配信へ切り替え

Rapid START_CDN配信に切り替え

CDN配信への切り替えをするにはCNAMEレコードを登録していきます。

Rapid START_CNAME

ムームードメインの場合、「サブドメイン」に「www」と入力、「種別」を「CNAME」に、「内容」にはRapidSTARTで表示された内容を入力します。(www有りの場合)

以上でRapid STARTの登録は完了です。
Rapid STARTの画面がステータスOKになっていれば正常に反映されています。
(※特にソースコード上に変化が出るなどはないとのことです:Rapid START運営回答)

最後に

Rapid STARTの使い方は簡単!と紹介されることもあるのですが、個人的にはAレコードやCNAMEの登録が中々上手くいかず、手間取ってしまいました。
でも、Rapid STARTのFacebookメッセージから色々と技術的な回答を頂けたので、サポートのおかげでなんとか出来た、という感じですね。ありがたかったです。

それでは、今後サイト表示速度や検索順位など、SEOのパフォーマンス部分について見ていきたいと思います。

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