Web制作ツールとして欠かせないAdobe Creative Cloud(アドビクリエイティブクラウド)ですが、2019年2月の値上げや、5月の「実質の値上げ」と呼ばれる学生・教職員個人版のパッケージカード版の販売終了に伴い、解約や代替ソフトに関する情報が目立つ様になりました。
また、「ADOBE製品を無料で使う、安く買う」などの裏技情報も増え、中には違法な情報もあるため問題視されています。

そこでAdobe CCの代わりになる優秀な代替ソフトをまとめてご紹介することにしました。
もちろん、格安または無料で使えて実用的なものです!

ちなみに私は、Photoshop、Illustrator、Fireworksを中心にAdobe製品を十数年使っています。
代替ソフトとしての使用感や製品の質など、参考にしていただければ幸いです。
※価格・料金は2019年11月現在のものです

代替ソフトは使うべきか否か

冒頭でAdobe CCの代替ソフトを紹介すると言いましたが、まず本当に代替ソフトを使うべきか一度考えてみてください。
結論から言うと、代替ソフトがおすすめな人、Adobe製品がおすすめな人は異なるため、以下を参考に検討してみると良いでしょう。

代替ソフトがおすすめな人

  • Adobe CCの限られた機能しか使わない人
  • サイト運用やブログ、SNSの更新が中心の人
  • 低コストで起業、独立を考えている人
  • とにかく安く使いたい、安く買いたい人

下記で紹介する代替ソフトは、個人で使うには充分なツールと言って良いでしょう。
ただし、企業間取引や、DTPなど印刷会社を必要とする制作物、クライアントの利用環境によっては、対応していないソフトもあるので注意が必要です。

Adobe CCがおすすめな人

  • DTPなど印刷の際にAdobe製品が必要な人
  • 大手企業での就職、転職を考えている人や学生
  • 様々なツールを使い分けるのが面倒な人
  • コストが気にならない人

ビジネスパートナーや印刷物の有無よっては、Adobe製品が必要なケースがあります。
特に印刷会社・制作会社のAdobe製品の利用率は今後も変わらず高いことが予想されます。

またここ数年、Adobe製品のiPadとの連携が非常に強化されいるため、iPadユーザーやMacユーザーにもおすすめです。

Photoshop(フォトショップ)の代替ソフト

Photoshopは画像の切り抜きやレタッチなど写真加工、Web制作には必要なソフトです。
そのため、Adobeでは画像編集に特化した安価な【フォトプラン】も用意しています。

ですが月額980円~という料金体系は、買い切りで使えていた人達には、代替ソフトを検討するトリガーにもなっているようです。

Photoshop Express Editor(エクスプレスエディター)

Photoshop Express Editor

対応デバイス PCブラウザ、iOS、Android
価格・料金 無料
Webサイト Photoshop Express Editor

Photoshop Express Editor(エクスプレスエディター)は、意外と知られていませんが、Adobeが提供する無料の画像加工ツールの一つです。
オンライン上で利用でき、トリミングやリサイズ、色補正、赤目補正の他、フィルターの利用など簡単な画像編集が行なえます。

無料なのでできることは限られますが、ブログやSNSの投稿が中心の人にはぴったりです。
※ブラウザ版はFlashPlayerがインストールされている必要あり
※サイトは英語表記
※jpegのみのサポート

Affinity Photo(アフィニティフォト)

Affinity Photo

対応デバイス Windows、macOS、iOS
価格・料金 ¥6,100(買い切り)
無料版の制限 すべての機能利用可能 / 10日間
Webサイト Affinity Photo(アフィニティフォト)

Photoshop代替ソフトして、今、世界中で注目を集めているのがAffinity Photo(アフィニティフォト)です。買い切りで¥6,100という画像編集ソフトでは非常に安価なソフトです。

実際に私も試してみましたが、RAW画像処理をはじめ、Photoshopでよく使う機能はほぼ一通り入っており、ショートカットもほとんど同じで、あまり戸惑うことはありませんでした。

また、動作が非常に軽くサクサク動くので、簡単な画像加工や忙しい時には重宝します。

強いてデメリットを挙げれば、アイコンが解りにくかったり、メニュー名が若干異なる部分があるため、ある程度の慣れは必要といったところでしょうか。

あとは、日本語の縦書き入力に未対応という点。(ソフトは日本語対応です)
これに関しては、文字をばらして並び替えたり、プラグインで対応可能のようですが、個人的にはあまり使わないので試してはいません。

Affinity Photoには、他のシリーズもあります。
シリーズの詳細は、下記、Affinityシリーズの補足をご覧ください。

GIMP(ギンプ)

GIMP

対応デバイス Windows、macOS、Linux
価格・料金 無料
Webサイト GIMP(ギンプ)

GIMP(ギンプ)は、20年以上前から提供されているフリーソフトで、Photoshopの代替ソフトとしても定番となっています。
年々機能は充実し、できることが多く、Photoshopに近い使い方ができます。

その反面、起動までに時間がかかったり、使い方が複雑化し、初心者には扱い難くなりました。
また、iPadやスマホアプリに未対応のため、利用者は伸び悩んでいる印象はあります。

とは言え、利用者は非常に多く、教本や解説サイトが多いのも魅力です。

Krita(クリータ)

Krita

対応デバイス Windows、macOS、Linux
価格・料金 無料
Webサイト Krita(クリータ)

Krita(クリータ)は、Photoshopをペイントソフトとして使っている人におすすめの代替ソフトです。

ブラシを使ったペイントの他、レタッチ機能にも優れているため、Photoshopと比較されることもしばしばあります。

またVFX(ビジュアル・エフェクツ/視覚効果)を扱う現場でも使われ始めているため、After Effects(アフターエフェクツ)にも通じる部分があり、最近、注目を集めているペイント系フリーソフトでもあります。

remove.bg(リムーブビージー)

remove.bg

対応デバイス PCブラウザ
デスクトップアプリ(Windows、macOS、Linux)
価格・料金 無料 / 有償(¥990/月~のサブスク、¥209/枚~の買い切りプランあり)
無料版の制限 0.25メガピクセル以下(625×400px程度)の画像、月50枚まで
Webサイト remove.bg(リムーブビージー)

remove.bg(リムーブビージー)は、画像の切り抜きだけに特化したサービスです。
切り抜き作業が多い人や、苦手な人におすすめです。
また、Photoshopのエクステンションとしての利用もできます。

詳細はこちらをご覧ください。

Illustrator(イラストレーター)の代替ソフト

Illustratorは、ベクター画像を専門としたグラフィックデザイナー御用達のソフトです。
Webで言えば、ロゴの制作やアイキャッチ、バナーや図解などの作成によく使われます。

最近では、スマホ対応を中心にSVG形式の画像が多く利用されるようになり、より使う機会が増えましたが、Illustratorは非常に重く、代替ソフトを考える人も少なくありません。

Affinity Designer(アフィニティデザイナー)

Affinity Designer

対応デバイス Windows、macOS、iOS
価格・料金 ¥6,100(買い切り)
無料版の制限 すべての機能利用可能 / 10日間
Webサイト Affinity Designer(アフィニティデザイナー)

Affinity Designer(アフィニティデザイナー)は、先述のAffinity Photoと同一のシリーズで、ベクター画像の編集に特化したソフトです。

Adobe製品にはない最大の特徴は、1クリックでベクターとラスターを切り替えることができ、素早く自由度の高いイラスト作成が可能です。

ただし、AffinityのPDF入稿に対応している印刷会社は少ないため、DTPには不向きです。
逆に、Web用の素材作りには非常に扱いやすいと言えます。

Affinity Designerには、他のシリーズもあります。
シリーズの詳細は、下記、Affinityシリーズの補足をご覧ください。

Inkscape(インクスケープ)

Inkscape

対応デバイス Windows、macOS、Linux
価格・料金 無料
Webサイト Inkscape(インクスケープ)

Inkscape(インクスケープ)は、先述のGIMP同様、長いことIllustratorの代替ソフトとして利用されている定番のフリーソフトです。
もちろん、SVG形式の画像のサポートもされているのでWeb制作にも利用できます。

こちらも利用者は非常に多く、教本や解説サイトが充実しているのも魅力です。

Adobe XD(アドビエックスディ)の代替ソフト

Adobe XDはUIデザインに特化したソフトで、スマホやタブレットなど様々なデバイスのUIデザイン、プロトタイプ作成(遷移設定)に使われています。

共有やコメント機能にも優れ、制作とクライアント間でのすり合わせや確認も容易にできるソフトで、ここ数年で利用者が急増しています。

Adobe XD(無料体験版)

Adobe XD

対応デバイス Windows、macOS
価格・料金 無料 / 有償(CC、単体プランあり)
無料版の制限 詳細は下記参照 / 使用期限なし
Webサイト Adobe XD(アドビエックスディ)

Adobe XD(アドビエックスディ)の代替ソフトは実は不要で、無料版で事足りるケースが多くあります。

なぜなら、他のAdobe製品の様に無料版の使用期限がなく、無料でも充分に役割が果たせるからです。
とはいえ、無料版なので機能に制限は付きます。

アクティブな共有プロトタイプ数、1
アクティブな共有デザインスペック数、1
Adobe Fonts無料プラン(一部のフォントセットのみ)
2GBのクラウドストレージ

簡単に言えば、共有できるデータは1件のみです。
ですが、アクティブなデータを切り替えて使ったり、共有が必要ないのであれば、無料でほぼ全ての機能が使えるわけです。

有償版が必要、もしくは代替ソフトを検討したい場合は、下記を参考ください。

Sketch(スケッチ)

Sketch

対応デバイス macOS
価格・料金 $99/年
※1年経過後でライセンス未購入の場合、アップデートはできなくなるがそのまま利用可能
無料版の制限 すべての機能利用可能 / 30日間
Webサイト Sketch(スケッチ)

Sketch(スケッチ)は、Adobe XDやFigmaが登場する前からリリースされていて、現在でも圧倒的な人気を誇るUIデザインを得意とするソフトです。

テンプレートやプラグインは数多く存在し、効率的にUI設計ができます。
アップデートが不要ならば、買い切り(約1万円前後)で永続的に使えるのも魅力です。

ただし、macOSのみの対応のため、Windowsでは使えないというデメリットがあります。
また、ソフトのインターフェースは全て英語なので慣れがです。

Figma(フィグマ)

Figma

対応デバイス PCブラウザ
価格・料金 無料 / 有償($12/月~のサブスクプランあり)
無料版の制限 一部機能の制限あり / 使用期限なし
Webサイト Figma(フィグマ)

Figma(フィグマ)は、ブラウザで作業ができるため、場所を選ばず作業ができます。

機能面は、XDやSketchと大きな差異は有りませんが、複数人(無料版では2人まで)で同時作業ができる点が抜きん出ています。

個人での作業や大きなプロジェクトではない限り、無料版で充分使える優秀なソフトです。

ただし、英文フォントの利用時は、日本語入力が反映されません。
また、ソフトのインターフェースは全て英語なので慣れがです。

STUDIO(スタジオ)

STUDIO

対応デバイス PCブラウザ
価格・料金 無料 / 有償($9/月~のサブスクプランあり)
無料版の制限 一部機能の制限あり / 使用期限なし
Webサイト STUDIO(スタジオ)

英語が苦手という方には、国産のUIデザインソフトSTUDIO(スタジオ)がおすすめです。

無料ですが、ほとんど制限がなく、さらにはそのまま制作したデザインを公開できる機能もついています。

デザインの際は、Webデザインとコーディングを同時に行っている操作感で、オブジェクトの配置と同時にHTMLやCSSの数値を割り当てるような感覚があります。
その点、不自由に感じる部分もありますが、目新しさもあります。

Dreamweaver(ドリームウィーバー)の代替ソフト

Dreamweaverは、Web業界では知らない人はいないくらい高機能なWebオーサリングツールです。

特徴としては、デザインビューだけで制作できたり、サーバーやバージョン管理システムとの連携が行えるのが強みですが、メモリーの使用量が多かったり、独自の機能が多かったりで、利用率はそれほど高くない印象です。

また、SEOを意識した制作の際は、極力余計なソースコードは省きたいので、Webオーサリングツールよりもテキストエディタの方が向いています。
そのため、ここではDreamweaverの代替ソフトは割愛します。

テキストエディタに関しては、無料でも高性能なテキストエディタは数多く存在し、好みも分かれますが、私個人としては下記の無料テキストエディターをよく使っています。

Visual Studio Code
通称、VSコードと呼ばれるMicrosoft社が開発したオープンソースのテキストエディタで、プラグインが豊富にあり、カスタム性能に優れたエディタです。

無料でありながら、Emmet(入力補完機能)やマルチカーソルが標準で搭載されていて、デフォルトでも使いやすいのが特徴です。

また、コードを自動整形して見やすくしてくれるショートカットもデフォルトで備わっているので重宝しています。

Webオーサリングツールとしては、初心者向けに、WIX、jimdo、Ameba Owndを解説してる記事もありますので併せてご参考ください。

動画編集ソフトの代替

動画編集と言えばPremiere Pro(プレミアプロ)、After Effects(アフターエフェクツ)です。
動画を使ったWebマーケ・SEOは増え続けているため、今は使っていなくても使える様になっていて損はないでしょう。

DaVinci Resolve(ダヴィンチリゾルブ)

DaVinci Resolve

対応デバイス Windows、macOS、Linux
価格・料金 無料 / ¥33,980(買い切り)
無料版の制限 制限なし / バージョンアップ可能
Webサイト DaVinci Resolve(ダヴィンチリゾルブ)

DaVinci Resolve(ダヴィンチリゾルブ)は、大手プロダクションや有名youtuberも使っているほど高性能なソフトです。

使用感は、Premiere Proに近く、無料版でも有償版の95%の機能が使え、かなり高品質な映像が作れます。
有償版は、無料版の拡張で、より高画質、高フレームレートに対応したといった感じです。

Premiere Pro、After Effectsに比べると機能は少ない様に感じますが、その分よく使う機能が厳選されている印象があり、直感的で扱いやすいのも特徴です。
tipsも多いので、初心者でも比較的短時間で簡単な編集がこなせる様になります。

Webマーケティングでは動画広告も必要になってくるため、併せてこちらも参考ください。

 

Affinityシリーズの補足

Affinity
Affinityには、現在3つのシリーズがあります。

  • Affinity Photo
  • Affinity Designer
  • Affinity Publisher

Affinity PhotoはPhotoshopの代替、Affinity DesignerはIllustratorの代替になるとよく言われ、Affinity Publisherは、InDesignやPageMakerに例えられます。

いずれのソフトもAdobe製品よりもシームレスに連携でき、高く評価されています。
例えば、Adobe製品の場合、IllustratorのオブジェクトをPhotoshopにコピペする時には、スマートオブジェクトやシェイプレイヤーなどに変換する必要がありますが、Affinityシリーズではそういった事はありません。

また、シェイプの編集がアンカーポイントの操作で行なえたり、スライスが充実しているので個人的な使用感はFireworks(ファイヤーワークス)に似ています。
サポートが終わって以来、Fireworksの代替ソフトを探していましたが、Affinityはそれに該当すると言っても良いかもしれません。

Affinityシリーズの対応デバイスはWindows、macOS、iOSとなっていて、とりわけiPadでのパフォーマンスの良さは他の代替ソフトを圧倒しています。
また、Surfaceデバイスのペンとダイヤルのサポートもしているため、幅広い使い方が可能です。

デメリットとしては、現在、Affinityには縦書き機能がなく、搭載予定もないことです。
フォント一覧も並び順がバラバラになっているため、長文の日本語を扱うのには向いていません。

ですが、全体的に動作が軽く、いずれのソフトも買い切りで、一度購入すれば無料でバージョンアップできるため、非常にコストパフォーマンスが良いと言えます。

最後に

いくつか代替ソフトをご紹介しましたが、いかがでしたか?
有名なソフトが多かったと思いますが、Adobe CCからそのまま乗り換えるのに、充分なソフトばかりではないでしょうか?

特に、AffinityシリーズやDaVinci Resolveは、最近、注目を集めているソフトです。
代替ソフトとして、またサブのツールとして使える様になっていて損はないはずです。

ただし、冒頭でも触れましたが、代替ソフトを使うべきか否か熟慮しておきましょう。
例えば、学生や転職希望者なら、Adobe製品を習得しておくことが、ステップアップにつながりやすいのは否定できません。
依然として業界のシェアはAdobeで、大手になるほど設備の変更は難しくなってきます。

また、AdobeはこれまでのビッグデータやAI(Adobe Sensei)を駆使し、他社にはできない技術や機能向上が今後も進んでいくことは忘れてはいけません。

それらを踏まえつつ、利用頻度やコストから、代替ツールを利用すると良いでしょう。

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