ちきりん著「自分メディア」はこう作る!から学ぶSNS・サイト集客方法

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本書は2005年からはじまった、「Chikirinの日記」という無名ブログが日本屈指のトップブログに成長するまでの10年間の過程を1冊に綴った本で、「裏を知る」編と「表を読む」編の二部構成となっています。
前半では著者がブログを運営していく中で起きた様々な出来事を綴った舞台裏が、後半では過去10年間総数1500以上のエントリの中から厳選されたベストエントリが紹介されています。

目次

「裏を知る」編

「裏を知る」編では著者がブログを運営していく中で起きた様々な出来事を綴った舞台裏が記されています。ここではメディア運営初心者向けに参考にするとよい内容を抜粋して評させていただきました。

ゴールの設定

何かを始めるとき、大切なのは「ゴール」の設定です。ゴール設定によって、自分の時間やお金をどれだけメディア運営に投資しなければいけないのかが変わってきます。

著者もブログを始める時は最初に「ゴールをどこに設定するか?」を考え、以下のように最初のゴール設定を行いました。

「Chikirinの日記」というサイトを価値あるメディアに育てたい
引用元:「自分メディア」はこう作る! P66

※ここでいう「価値あるメディア」の意味は本書にてご確認ください。

ゴールが明確でないメディアは運用の中でどんどんぶれていき、最初に望んだような成果を出すことが難しくなってしまいます。

もし、ビジネス目的でメディアを運営をしているけれど成果が上がっていない方は、一度自分のメディアの更新内容を見直してみましょう。実際に見直してみて、ビジネスとは関係のない私的な内容や、リードが求めている情報と的外れな情報を提供していたとしたらゴールをもう一度設定するところから始めることをお勧めします。

ユーザー層の設定

次に、どのような読者を対象とするかに関してです。

一般的な雑誌などでは年齢、性別、家族構成、ライフスタイルなどで読者を絞りますが、著者は想定読者を「考えることの姿勢」で以下のように絞りました。

  • 資本主義を信じていて、
  • 社会的な事象やビジネスに関心があり、
  • 既成概念を排し、自由かつオープンに考えることに前向きで、
  • 解を得ることではなく、自分で考えるヒントときっかけを求めている人
  • 難しい問題を考える時にも深刻になりすぎず、ユーモアを理解できる人

引用元:「自分メディア」はこう作る!P67

ここまで対象を絞り込むことで、メディア運営の方向性や、引き受ける仕事、断る仕事が見えてきます。

どのビジネスにおいても成果を上げやすくなるため、対象を絞り込むことは重要です。
年齢、性別、生活環境で絞るのもひとつですが、著者の例からわかるように「思想」「ライフスタイル」で絞るのも濃いファンを獲得する有効な手段といえます。

コメント欄の閉鎖

メディア運営を続けていく中で、ファンがが増えるにつれ、コメントなどコミュニケーションの管理が大変難しくなってくることがあります。一つ一つのコメントに返信することが難しくなるのはもちろん、批判的な内容や誹謗中傷などはメディア自体の信用力に関わる問題です。著者はこの問題に対してどのように対処したのでしょうか??以下、本書より抜粋です。

コメント欄を閉じた理由は、批判コメントが多かったからと思われがちですが、それよりも「自分のブログのアクセス数を利用されることを避けるため」、もしくは「自分のサイトという場所をきちんと管理するため」と言ったほうが適切です。
引用元:「自分メディア」はこう作る!P86

「コメント欄」を閉じることはとても勇気の必要な決断であると思います。
コメント欄を閉じることで信用をなくしてしまうかもしれないし、逆にコメント欄を公開し続けることで、本当に来てほしいユーザーにとっての居心地が悪くなってしまう可能性もあります。どちらにもリスクがありますが、最終的な決断はやはり、「自分が大切にしたいファン」のための行動が正解です。

コンテンツを散逸させない

コンテンツを自分のメディアのウリにする場合、かなり気を配らないと自分の知らないうちに自分のコンテンツがネット上で散逸してしまいがちです。
また、一見よさそうな仕事の依頼がメディア経由で舞い込んできたとしても、長期的な視野で見たとき果たしてその仕事は自分にとってプラスになるのか?しっかりと吟味する必要があるでしょう。

あくまで、「オウンドメディアを価値あるものにする」のなら、オウンドメディアの価値を上げるための行動だけをとり続けなければなりません。

他のメディアに、自分のサイトには載らない面白い文章を書いてしまったら、読者にとって「Chikirinの日記」は、お古コンテンツの格納場所に見えてしまいます。
それではOwn Mediaを育てることはできません。最もおもしろい、最も新しい文章は、常に自分のサイトで発表する、これが原則です。
引用元:「自分メディア」はこう作る!P90

著者はこのコンテンツを散逸させないことに関してかなりシビアに管理していて、たとえばTwitterの連続ツイートなども、自分がツイートした後に改めて自分のブログにツイートの引用だけのエントリを組むことでユーザーが「ちきりんのコンテンツ」を「Chikirinの日記」の中だけで楽しむことができるよう、他サイトへのコンテンツの散逸を防いでいます。

信用力を売らない

ビジネスにおいて、メディアの信用力は、直接売り上げを左右するといっても過言ではないと思います。

たとえば、広告媒体の例でいうと、全国規模のチャンネルで紹介されたことがある、という場合とローカルなチャンネルで紹介されたことがあるという場合では信用力に差が出てきます。
全国規模のチャンネルでCMを打っている企業はやはり「あぁ、あのCM見たことある、あの企業ね」というようにそれだけで信頼をなんとなく得てしまうものです。

リアルな社会でもネット上でも同じですが、こういう信用力は、築くにはとても時間がかかるのに、壊れる時は一瞬です。いくら考えても相手の意図が見えない場合にも、依頼は断ってしまいます。
目的がわからない依頼ほど怖いものはないと思うからです。失敗と反省があるからこそ、よくよく気を付けて、ここまで築いてきた信用を大事にしていきたいと考えているのです。
引用元:「自分メディア」はこう作る!P100~101

「表を読む」編

「思考と分析」、その微妙かつ決定的な違い

以下の二つの文章について、前者と後者ではどのような違いがあるでしょうか??

「市場規模は、前年比8割増となった」
「市場規模は前年比8割増と、急激な伸びとあった」
引用元:「自分メディア」はこう作る!P264

上の2つの文章の違いは、発信者が自分の基準を持っていて、価値判断が含まれているか、否かにあります。

たとえどんなに稚拙な考えであっても、どんなにぶっとんだ考えであっても、(誰がやっても同じになる)単なる分析結果なんかより、人によって異なる「誰かの考え」のほうが圧倒的におもしろいし、価値はまさにそこにあるのだということです。
引用元:「自分メディア」はこう作る!P268~269

著者のブログが支持される理由は、「思考の結果」が書かれているからです。
分析だけしてよく「考えた!」と勘違いしてしまうのはよくあることですが分析結果自体に価値はありません。
アクセス解析などもそうで、数値から見た傾向を分析するのは誰でもできることですが、そこから自分で思考し、仮説し検証することに意義があるものです。
思考力や問題解決能力を習得するための第一歩に「考える」という概念自体を理解することが必要であると著者は説いています。

まとめ

本書は日本を代表するブロガーはどのような考えでメディア運営をしているのか?その根底にある思いや考えを学べる良いメディアづくりのヒントとなる本だと思います。

冒頭にも述べましたが、まずは「正しいゴール作り」が非常に重要です。ゴールは単なる理想や憧れではなく、自分の情熱を掻き立てるようなモチベーションを上げるものに設定するべきでしょう。

売上も大事ですが、「メディアを育てる」という意味では単なる「売上のため」という目標設定だけだと、ユーザーを無視した力勝負のような戦略ばかりに目が行ってしまいがちです。

ハマる要素や人を惹きつける個性が欠けていると、メディアの掛け算的な成長は難しいでしょう。ターゲットの価値観やライフスタイルをしっかり調査した上で、自分がこのメディアを通して成し遂げたいことはなんなのか?提供したい価値は何か?仕事を通じた人生観を交えて熟考してみましょう。

例えば花屋であれば、「花を飾り心豊かな暮らしに癒される人を増やしたい」「ちょっとしたプレゼントに花を贈ることで感謝の気持ちを気軽に伝えられる世の中にしたい」などの抽象的なゴール設定でもよいと思います。

数値的な目標で「月間○○万PVを目指す!!」というのも悪くはありませんが、目標が達成されなかったことに対して、どこが「明日の勝ちのための負け」だったのか見失う可能性が高いです。

というのも、先ほど述べたような「抽象的な目標」があれば、「サイトから来た新規顧客でプレゼント用に購入する人が増えた」「SNSで日常の中に花を取り入れるインテリアを紹介したところ、いいね数が増え、ユーザーからの共感が得られた」などの成果が見られた場合、最初にたてたメディアのゴールが達成されたことになります。

実質的にそのメディアはアクセス数に変化がなかったとしても、人々の心や行動を動かすメディアとして成長しているということに気が付くことができ、自分のメディアを価値あるメディアとして少しずつ認めることができるようになり、信頼を構築していくことができるでしょう。

しかし、ゴール設定をざっくばらんな数値のみで設定した場合、そもそも根本的な方向性が間違っているのに、細かい部分的な改善なかりを繰り返し、木を見て森を見ない状態になってしまいます。ですので、メディアにも「会社理念」のような壮大な目標を一つ持つことをお勧めします。

そしてメディアとしてある程度まで育ってこれば、あとは自分の目的に応じて著者のようにメディア一本で育てるのか、それともメディアを足掛かりとして違う方向に進むのか選択すればよいでしょう。著者のようにメディア一本で育んでいきたい場合は今回紹介したコメント欄やコンテンツを散逸させないなどの方針が参考になるかもしれません。

リンク

Chikirinの日記
「自分メディア」はこう作る-大人気ブログの超戦略的運営記-ちきりん

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